MOMIYAMA Tomoko

その時代その場所における不透明性の中で聴く

Listening Within the Opacities of Our Times and Places

この作品は、コンテンポラリー?アート?タスマニアの委嘱により、豪日交流基金、及びメルボルン大学アジアリンクの支援を受けて制作された。
キュレーター:Lisa Campbell-Smith、 Joel Stern
協働アーティスト:Maggie Abraham (パーカッション)、Finn Clarke (録音)、Rosie Hastie (照明)、Georgia Shine (チェロ)、Jon Smeathers (設営)、Joe Weller (トロンボーン)、Ursula Woods (映像)
制作協力(オーストラリア):鍋澤保氏及びご家族、マユンキキ、平取町立二風谷アイヌ文化博物館、豊中市市民ホール指定管理者(センチュリーリサイタルシリーズ)、日本センチュリー交響楽団小川和代、日本相撲聞芸術作曲家協議会(JACSHA)、水谷神社ねっていずもう保存会、天神山アートスタジオ、KAKKO E 合同会社、株式会社タケナカ、他

一人のアイヌの長老との出会いと別れをきっかけに作曲したコンサート作品を、アボリジニの協力者たちとの対話を経て再作曲したインスタレーション作品。グリッサンの〈不透明性への権利〉を参照しつつ、作曲行為における植民地主義的な暴力を考察し、その暴力とともに、そしてその暴力に抗いながら、美的かつ倫理的に〈声〉を〈聴く〉ための装置として提案した。

Inspired by her encounter and parting with an Ainu elder, Momiyama recomposes her original concert piece into a multispace installation that questions the ethics and aesthetics in post-colonial practices of music composition. Created through in-depth dialogues with collaborators from the Aboriginal community and artists in Tasmania, the work, while making a reference to Glissant’s concept of ‘the right to opacity,’ invites the audience to ‘listen’ to a ‘voice’ with and against colonial violence.

主査
三輪眞弘
副査
プロフィール
1977年福井県生まれ。スタンフォード大学音楽学部および人間生物学部卒。作曲家として世界各地で他者との関わりから創作してきた自身の活動を検証し、ポストコロニアルの視点から作曲行為の権力性と倫理的可能性を考察する。