岐阜イノベーション工房2020 参加者欧洲杯比赛投注_欧洲杯外围app-竞猜|官网 第3回:太平洋工業「新たな手法?ツール活用を通して 社内へ波及していくイノベーション活動」
岐阜イノベーション工房は、アート、デザイン、工学、社会科学など、多様な分野の教員と学生が切磋琢磨するIAMASという環境で醸成された手法のうち、イノベーション創出に有効だと考えられるものを短期集中で学ぶプログラムです。プログラムの前半では、主催者が演習用に設定した課題に取り組むことを通じて、いくつかの重要な手法を学びます。後半では、前半での学びと経験を基に、それぞれの組織における実際の課題に取り組みます。
このページでは3回に渡り、2020年度の参加者を対象に実施したインタビューを紹介していきます。第3回は、自動車部品?電子機器製品等の製造?販売事業を展開している太平洋工業株式会社(岐阜県大垣市)の金森和宏さん、砂山裕貴さん、山田博久さんにお話を伺いました。
なお、昨年度までの取り組みについてまとめた小冊子を配布しております。このプログラムで学べる手法など、詳細について知りたい方はぜひご覧ください。
https://note.com/_kotobuki_/n/n355b205b8e91
第1回:羽島企画「現場からはじめる、地に足の着いたDX(デジタルトランスフォーメーション)」
第2回:株式会社林本店「“100年先のスタンダード”を考え 酒造りの新たな可能性を探索」
第3回:太平洋工業「新たな手法?ツール活用を通して 社内へ波及していくイノベーション活動」
新事業創出のために“発想力”を鍛えたい
- 参加したきっかけを教えてください。
金森 太平洋工業は、1930年に自動車用バルブコアの国産化を目指してベンチャー創業した自動車部品メーカーです。現在は「プレス?樹脂事業」と「バルブ?TPMS事業」の二大事業がありますが、我々3名はバルブ?TPMS事業本部に属する新製品企画部のメンバーです。
この新製品企画部は比較的新しい部署で、既存技術や製品分野を起点とした新製品や新機能の企画?開発、新事業の創出といった使命を与えられています。
私たちは新製品企画部のメンバーとして、今までよりもさらに柔軟な発想で数々のアイデアを生み出し、新製品開発や新事業の立ち上げにつなげたいと期待し、今回岐阜イノベーション工房に参加しました。
- プログラムを振り返って、いかがでしたか。
金森 フィールドワークでは、ショッピングモール内の「ユニクロ」に出向きました。その後はオンラインホワイトボードツール「Miro」を使って分析し、さらにアイデアスケッチ、その後は実際にアプリケーションを作ってバリテーションを行いました。
山田 参加前は内容の全貌がわからなかったので、セミナー形式でもっと概念的なことを学ぶのかな?と勝手に予想していたのですが、かなり実践的な内容で驚きました。
フィールドワークから始まり、バリテーションやインタビューも含め、我々が今まであまり触れてこなかった手法、全く縁のなかったツールを駆使した内容で、とても興味深かったですし、新しい世界に触れるようでとても楽しかったです。
学んだ手法やツールを、どう活かすか
- 今回の実習プログラムの成果について教えてください。
金森 我々が今回の実習プログラム取り組み、実際に業務に取り入れたことは主に3つあります。毎週火曜の「ブレストの日」、オンラインホワイトボードの導入、アイデアスケッチによるアウトプットです。
オンラインホワイトボードは、実習プログラムで教えていただいたMiroを業務に導入し、チーム内の情報共有などに活用しています。メンバー間でなかなか時間が合わなくても、Miroを使うことでアイデア出しや情報共有が加速しました。関係者が平等に書き込めるというメリットもあり、今まではなかなか出なかったアイデアがフラットにたくさん集まるようになりました。
アイデアスケッチについても、今回のリノベーション工房で知り深めた手法です。それを受けてプロトタイプを作成し、そこからお客様へのバリデーションを進めた案件もあります。
- 参加してみて良かったこと、変化したことはありますか。
砂山 「イノベーション」と言うからには、きっと新しいことを学ぶんだろうな、という漠然としたイメージでスタートしましたが、どんなことを学ぶかまでは掴みきれていなかったので、いい意味で期待を裏切られた…!という気持ちです(笑)。参加前と比べて考え方が変わったように感じます。
金森 先生とのコミュニケーションの取り方ひとつとっても、とても新鮮でした。
また、今回は完全オンライン開催だったのですが、それも普通に仕事をしていては経験できないことばかりだったので、とても良い機会でした。
砂山 序盤に「Sens’it」というIoT機器を貸していただいたのですが、こういったものがあることすら知りませんでしたし、触るのももちろん初めてでした。
「こんな便利なものが世の中には溢れているんだ…!」という驚きに加えて「自分たちに使いこなせるのか?」という不安もありました。
でも実際に触り始めると、ただの食わず嫌いだったことがわかりました。そこからは、なんだか面白そうなことが始まりそう!というイメージに変わりました。今まで全く知らなかった世界を覗くところから始まり、初めて触るツール、今まで気づかなかった手法などを実践的に学ぶことができて、とても勉強になりました。
- 今回学んだことを、どのように業務に活かしていきたいですか?
金森 実際の業務に取り入れたことで、以前よりさらにアイデアが出やすくなりました。アイデアの量だけでなく質も向上していると感じています。現在、自動車関連だけではなく、我々の技術を使ったあらゆる分野での新プロジェクトの立ち上げに向けて、複数件、同時進行している状況です。
山田 自分たちで考えたアイデアを世に出すにあたって、お客様のレスポンスやフィードバックが重要だということはかねてからわかっていましたが、それをどう取っていくかというのはこれまで大きな課題でした。今回学んだバリテーションという手法や考え方をしっかり活用していきたいと思います。
砂山 世の中にはとても便利なツールがたくさんあることを、身を以て知ることができました。でも、ツールを使えばうまくいくというわけではありません。ツールはあくまでも手法のひとつ。「なぜここで、それを使う必要があるのか」をしっかり考えるところも含めて、最適なものを取り入れながら、業務改善や新商品開発に取り組んでいきたいです。
金森 この考え方や手法が、新商品企画部のチーム全体、ゆくゆくは会社全体に浸透していくことで、いろいろな視点?立場からイノベーションが起こり続けるような、そんな会社にしていけたら理想ですね。
卒業生同士の横のつながりに期待!
- 岐阜イノベーション工房への要望や、今後期待することは?
金森 私たちは一旦卒業という形ですが、今後ももっと成長していきたいと思ってるので、卒業生のための2nd stageのような機会もぜひ企画していただけたら、さらにステップアップできると思うので、卒業生に向けたカリキュラムに期待します。またぜひ次も参加したいです。
山田 今回は手法や考え方といった視点が多かったので、次のステージではアイデアを出す際のコツというか、どんなところに着眼すればいいのかなども知りたいですね。
砂山 今回、我々が勉強になったということに加えて、ほかの企業さんとのコミュニケーションの場としても、とても貴重な機会だったと感じます。
金森 今回はオンライン上でしたが、ともに参加した2社の方々に加え、成果報告会では過去の卒業生の方とも交流できて、とても勉強になりましたし、刺激を受けました。みなさん意識が高くて、面白い人ばかりでした。
同じイノベーション工房を卒業し、同じメソッドを体験している仲間、同志として、なにか一緒に取り組めたら楽しそうですね。卒業生同士のネットワークがもっと広がっていったら嬉しいです。
今回参加して、こういったコミュニティがあること、新たに作っていけることを知ることができたので、岐阜イノベーション工房を通して、同じ地域にいる、同じ考えを知っている人たち同士で、何か面白いことができたらいいですね。
- ありがとうございました。
インタビュアー:後藤麻衣子(COMULA)
「岐阜イノベーション工房2021」の参加者を募集しています。Webをご確認の上お申し込みください。
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(締切:2021年7月2日(金)17:00)